きっと365日、目を覚ますたびに忘れていっている。光をとりいれることによって影が消えていくように、目を覚ますたびに思い出も消えていく。私の故郷の家では早起きな祖母が障子を開けて1日が始まり、夜に障子を閉めて1日が終わる。上京をしてからは今は私が朝にカーテンを開けて1日が始まり、カーテンを閉めて1日が終わる。忘れたくないのに忘れてしまう。きっとこのもどかしいような、悲しいような感情のいつかは忘れてしまうかもしれない。だからこそ、フィルムにでも焼き付けておこう。

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